リノベーションにも保証制度はある?
新築住宅を建てる場合、通常は何らかの保証制度が設けられており、工事の継続が困難になった場合や、完成後の住宅に不具合が見つかった場合などに備えられるようになっています。一方、新潟市内でも最近人気の高いリノベーションについても同様の制度はあるのでしょうか。そこで今回は、住宅の改修工事に関わる保証制度を紹介します。
高額な買い物である住宅には保証がつきもの
自分の好み通りの間取りやデザインを持った家に住みたいというのであれば、注文住宅を新築するのが理想を実現するのに最も適した方法であるといえます。ただ、ご存知の通り注文建築には多額の費用がかかるため、誰でも実現可能というわけではありません。
そこで、近年では中古住宅を安く手に入れ、そこにリノベーション工事を施してカスタマイズするという手法が人気を集めています。工事の規模や工法などにもよりますが、一般的には新築よりも低コストで好みの住環境を整えることができます。
しかし、安いとはいってもやはり建築関連工事には違いありませんから、費用はそれなりにかかります。新潟市のように住宅人気の高いエリアでは、工事費も高額になりがちです。建築資材にとことんこだわったり、通常の住宅には見られないような個性的なデザインを採用したりすれば、その金額はさらにアップします。
多額の費用をかけながら、完成した住宅が注文通りの品質を満たしていなかったり、施工不良の箇所が後から見つかったりした場合は、追加工事によってさらなる負担をしなければなりません。そこで、新築住宅の場合には通称「品確法」と呼ばれる法律によって、住宅に問題があった場合は施工事業者側が責任をもって是正を行うよう定められています。
そしてリノベーション工事についても、これに似た保証制度が存在します。万が一のトラブルの場合は、修繕などに必要な費用を補償してもらえます。
改修工事後に瑕疵が見つかったら追加工事費用を補償してもらえる
リノベーション工事に関わる保証制度は、「リフォーム瑕疵(かし)保険」といいます。これは、リフォームやリノベーションを行った際、そこに瑕疵(注文通りの仕様や品質になっていない状態のこと)があった時は、その補修に要する費用を補償してくれるというものです。
この保険に加入するのは、施主ではなく工事を担当する事業者の方です。事業者が国の指定する「住宅瑕疵担保責任保険法人」に登録することによって、この制度を利用できるようになります。補修が必要になった時は事業者に保険金が支払われ、その費用の範囲内で工事を行うので、施主側は負担なしで追加工事を発注できます。
では、万が一瑕疵が見つかった時点でその施工事業者が倒産してしまっていた場合はどうするかというと、その時は補修費用を保険会社に直接請求することが可能です。この制度を利用するには、いくつか条件があります。まず大前提として、施工事業者がこの保険に加入していることが必要です。
実はこの保険は任意加入であるため、新潟市内でも大手の事業者はたいてい加入していますが、中には未加入のところもあります。そのため、施工事業者を選ぶ時は、その事業者が瑕疵保険に加入しているかどうかか1つのポイントになります。
また、工事の内容が保険でカバーできる範囲内のものかどうかも条件の1つに数えられます。たとえば耐震補強工事を行うのであれば、その強度が法に定める最新の基準を満たしている必要があります。
施工事業者やメーカーの独自保証もある
「リフォーム瑕疵保険」は任意の保険でありながら、かなり公的な性質を色濃く持った制度です。これに対して、まったく私的な保証もあります。それは、各施工事業者が独自に設けている保証制度です。新潟市では、多くのリフォーム・リノベーション事業者が独自の保証制度を設けています。その内容は千差万別ですが、たとえば「躯体部分は10年間」「配管部分は2年間」「内装の仕上げは1年間」といった具合に、工事箇所と保証期間とがセットで定められているのが一般的です。
インターネット上に公式ウェブサイトを持っている事業者であればたいていサイト内で紹介されていますが、内容がわからない時は事前打ち合わせの段階で確認しておくのがおすすめです。また、正式に工事を依頼するとなった時は、補償内容を明記した証書が発行され、不具合などが生じた場合はその記載内容に沿って補修工事等が行われます。
これとは別に、住宅内の設備部分については、通常は各メーカーが独自の保証制度を設けています。完全オーダーメードの特注品などの場合は例外となりますが、システムキッチンやエアコン、ユニットバス、照明器具など工業製品として流通している設備であれば、取り付け時にやはり保証書が発行され、そこに記載されている内容の範囲内で修理あるいは交換などを無償で受けることができます。その場合は施工事業者を通さず、各メーカーのサポートセンターなどに直接連絡するのが一般的です。
新築住宅に施工不良個所などが見つかった場合は、追加工事の費用負担などに係る補償を受けられるのが一般的です。リノベーション工事にも同様の制度が設けられており、任意保険や施工事業者の独自保証制度などによって施主の権利が守られています。