築浅と築古の物件、リノベーションする際の違いとは?
近年、新築よりも費用を抑えられるという理由から、中古住宅をリノベーションして住む人が増えてきています。しかし、ひとくくりに中古といっても、建って間もない物件から築数十年経つものまで、さまざまです。そこで今回は、築浅物件リノベーションと、築古物件リノベーションのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
築浅と築古とは
文字通り、築浅は築年数が浅く新しい物件を指し、築古は築年数が古い物件を指します。では、具体的にどれくらいまでの築年数が築浅物件で、どれくらいからが築古物件になるのでしょうか?
築浅物件
実は、築浅物件の明確な定義はありません。しかし、不動産業界では多くの場合、築年数5年以内のものを築浅物件としています。これは、あくまで目安で、不動産会社によっては、築年数6年でも築浅物件として売買しているところもあります。また、築5年以内であっても、設備などが古ければ、築浅物件として扱われないものもあるようです。築浅物件とは「一般的に築年数5年以内のものを指すが、絶対的なものではない」ということを覚えておきましょう。
築古物件
築古も同様に明確な定義はありませんが、一般的には築年数30年以上のものを築古物件といいます。しかしながら、これもあくまで目安のため、築25年であっても築古物件としている不動産会社も存在します。反対に、築年数が30年以上であっても、設備などがキレイな場合は、築古物件として扱われていないものもあるようです。築古物件とは「一般的に築年数30年以上のものを指すが、絶対的なものではない」ということを覚えておきましょう。
築浅物件をリノベーションするメリット・デメリット
では、築浅物件をリノベーションする場合のメリットとデメリットは、どういったものがあるのでしょうか?メリット、デメリットの順で見ていきましょう。
築浅物件をリノベーションするメリット
築浅物件をリノベーションする最大のメリットは、もともとの物件自体が新しく、築古に比べキレイなので、大規模修繕の必要がないということでしょう。基礎部分の修繕費用を安く抑えられるため、内装や住宅設備などに予算を回すことが可能です。また、最低限の修繕で済めば、その分工事期間も短くなるので、できるだけ早く住み始めたいという人にとってはメリットといえるかもしれません。
築浅物件をリノベーションするデメリット
築浅物件は、築古物件に比べて物件自体の価格が高い場合がほとんどです。そのため、リノベーション費用は抑えられても、物件購入にコストがかかってしまいます。また、築浅物件が市場に出ている数は、築古物件と比較すると圧倒的に少なく、希望する立地や広さのものをみつけられないこともあるかもしれません。
築古物件をリノベーションするメリット・デメリット
ここからは、築古物件をリノベーションする場合のメリットとデメリットを確認します。
築古物件をリノベーションするメリット
築古物件は築浅物件よりも安価なことが多く、同じような立地条件や広さであっても、築古であれば、かなり安く購入できる場合があります。また、戸建て物件は、築25年以上になると建物の価値がほとんどなくなるため、それ以降は資産価値が下がりにくいというのもメリットのひとつでしょう。
さらに、築古のメリットとして挙げられるのは、物件の豊富さです。現在の日本は、人口減少にともない多くの空き家があります。そのため、築古物件は市場に多く出ており、希望通りの立地や広さの中古住宅を見つけやすいといえるでしょう。新築や築浅では手が出ないような好立地でも、築古なら購入できるかもしれません。また、レトロな雰囲気が好みであれば、築古を活かしたリノベーションもおすすめです。
築古物件をリノベーションするデメリット
1981年5月31日以前に建築確認された物件は、旧耐震基準が適用されているため、震度5までが倒壊しない耐性であれば基準クリアとなっています。現在は、震度6~7程度の大規模地震を想定した耐震性が必要なため、耐震化工事に費用がかかることを覚えておいてください。
また、築古物件には、解体してみなければ発見できない、基礎部分の老朽化や破損があるかもしれません。事前に屋根裏や床下を点検してもらうことで、ある程度は確認できますが、すべての状態を把握できるわけではないことを頭に入れておきましょう。
さらに、もうひとつデメリットとして挙げられるのは、築古物件はリノベーションの減税制度を受けられない可能性があるということです。減税条件には「木造戸建て築20年」「マンション築25年」という制限が設けられているため、築年数30年以上であれば適用されません。
まとめ
今回は、築浅物件リノベーションと、築古物件リノベーションのメリットとデメリットをそれぞれ解説しました。築浅は物件自体が新しく、あまり手を入れずに、自分がこだわりたい部分だけをリノベーションして住むことができますが、その分購入金額が高くなります。築古は、耐震化工事や基礎部分の修繕など、リノベーション費用はかかりますが、物件自体の価格は安く抑えられるでしょう。築浅・築古ともにそれぞれのメリットとデメリットがあるため、自分が何を重視するかをよく考えて物件探しをするとよいでしょう。